浴室は高齢者が使用する場合に様々な危険が考えられる場所であり、お年寄りのいる家庭におけるお風呂リフォームの際にはバリアフリー化も視野に入れておくと安全面の確保に役立つでしょう。まず、物理的な要素として段差の軽減や手すりの設置に加えて、滑りにくい材質の床を選択しておくことがポイントで、これによって突然の転倒事故を防げるので安心です。段差ができやすい箇所としては浴室と脱衣所の間があげられるほか、床と浴槽の高さも重要であり、主に設計自由度の高い在来工法の浴室では高齢者の負担とならないようなお風呂リフォームが求められてきます。これらは後から必要に応じて増設もしくは変更をすることも可能ではありますが、設計上の都合が影響して余計な工事と費用を要する例が多いので、お風呂リフォームを実施する機会があればまとめて済ませておく選択が効率的といえるでしょう。
また、空調は浴室と脱衣所の両方へ可能な限り設置しておくのが理想的で、特に冬場は浴室と脱衣所の温度差が激しくなるため、血圧の変動から脳や心臓及び血管へ負担となる可能性が想定されます。バリアフリーは高齢者に対して最も役立つ考え方ですが、乳幼児や妊婦がいる状況でも事故を防ぎ安全性を高められるので、積極的に導入する選択がおすすめとなります。近年では高齢者対応のユニットバスも開発されていることから、在来工法から乗り換える段階で予め対応製品を選んでおく運用方法も効果的です。